※この記事は、映画『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)の結末に触れています。
部屋に戻ると、マークがいない。残された日記には、ブリジットが以前書いたマークへの悪口が並んでいます。読まれて嫌われたと思った彼女は、雪の降る通りへ飛び出します。そこで再会したマークが持っていたのは、新しい日記帳でした。 City of London
年の初め、ブリジットは自分を変えようと日記をつけ始めました。最後にマークが差し出すのは、これから彼女が書き始めるための一冊です。二人は、古い日記に残った言葉から、どうやって次のページへ進んだのでしょうか。
『ブリジット・ジョーンズの日記』の作品情報
- 原題 Bridget Jones’s Diary
- 製作年・上映時間 2001年・97分
- 日本初公開 2001年9月22日
- 監督 シャロン・マグアイア
- 原作 ヘレン・フィールディング
- 脚本 ヘレン・フィールディング、アンドリュー・デイヴィス、リチャード・カーティス
- 主な出演 レネー・ゼルウィガー(ブリジット)、コリン・ファース(マーク)、ヒュー・グラント(ダニエル)
作品データの参照元 www.workingtitlefilms.com
公開25周年を記念した4Kレストア版は、2026年11月13日(金)から2週間限定で全国上映予定です。上映日は劇場により異なります。 filmaga.filmarks.com
ラストでマークはなぜ部屋を出た?
マークは、ブリジットに新しい日記帳を買うために部屋を出ました。 彼女が着替えている間に古い日記を読み、自分がどう思われていたかを知ります。雪の中で再会すると、謝るブリジットに日記帳を渡し、新しいスタートを切ろうと持ちかけます。 cityoflondon.gov.uk
ブリジットは、謝りながら何度も言い直します。書いたときは、確かにそう思っていた。でも、いまマークに伝えたい気持ちは違う。彼女は、この二つを一度に伝えようとして言葉に詰まります。
日記を始めるとき、彼女は自分についての真実を全部書こうと決めました。それが雪の中では、日記なんてでたらめばかりだと弁解します。書いた日に感じた反感も、雪の中で謝るときの気持ちも、そのときの彼女にとっては本音です。マークは言いよどむ彼女に、これから書ける一冊を手渡します。 SS
マークとブリジットはどこで相手への見方を変えた?
トナカイのセーターとダニエルの話
映画の冒頭で二人が顔を合わせるのは、ブリジットの実家で開かれた年始の集まりです。母に紹介されたマークは、トナカイ柄のセーターを着て、会話もどこかよそよそしい。ブリジットは早々に期待をなくします。そのあと、マークが母に、酒とたばこが好きでしゃべりすぎる独身女性はお断りだという趣旨のことを言い、ブリジットはそれを聞いてしまいます。二人とも、一度の会話で相手がどんな人かを決めてしまいます。 SS
その印象を強めるのが、上司のダニエルから聞かされる話です。彼はマークに婚約者を奪われたかのように語ります。ところが終盤、母親の話をきっかけにマークに確かめると、実際にはダニエルがマークの妻と関係を持っていました。ブリジットが直接見たマークの無愛想さと、ダニエルが都合よく語った過去は、彼女の中でひとつの人物像になっていたのです。 SS
この行き違いには、ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』と通じるものがあります。マーク役のコリン・ファースは1995年のBBC版でもダーシーを演じており、本作の物語の構造がオースティンの小説に基づくとインタビューで語っています。観客にも、まずダニエルの説明が聞こえ、あとからマークの側の事情が伝わります。その順番が、ブリジットと一緒に第一印象を見直すきっかけになります。 Los Angeles Times
「ありのままの君が好きだ」にブリジットが返した言葉
ブリジットがダニエルの話の真相を知る前に、マークは自分の気持ちを打ち明けています。年始の集まりでの非礼を認め、ブリジットの率直すぎる物言いにまで触れながら、今の彼女が好きだと伝えます。ブリジットは思わず、酒やたばこのことを持ち出します。いつも自分の欠点を数えている彼女には、それも含めて好かれることが意外だったのでしょう。 SS
終盤、マークの両親の結婚記念パーティーで、ブリジットは以前の告白に応え、自分も同じ気持ちだと伝えます。ここで彼女は、マークの母親が選ぶ妙な服にまで言及します。冒頭では彼を敬遠するきっかけだった服装が、今度は、彼の少し格好のつかないところも含めて好きだと伝える言葉の一部になっています。 SS
新しい日記帳にはどんな意味がある?
最初の日記には、体重や飲酒、たばこといった、自分がどれだけ目標に近づいたかを測る項目が並びます。ブリジットにとって、自分の生活を自分で変えようとする手段です。同時に、周囲の人が結婚や外見について口を出すたびに、その物差しを自分にも当ててしまう。だから、新年の決意には前向きさと窮屈さが同居しています。 www.miramax.com
冒頭では、ブリジットが一人で新年の目標を立て、日記を書き始めます。ラストでは、その日記の中で自分が悪く書かれていたと知ったマークが、次の一冊を贈ります。今度の「新しいスタート」は、自分に課す目標から、これからの関係を二人で築いていこうという誘いに変わっています。 日記帳を選んだのはマークで、その白紙に何を書くかを選ぶのはブリジットです。
雪の中を追いかけるブリジットが伝えたかったこと
部屋では、ブリジットはマークを待たせて、着替えを始めます。ところが日記を読まれたと気づくと、下着に上着を羽織った格好で外へ。好きな人の前でどう見えるかを気にしていた彼女が、次の瞬間には身支度もそこそこに駆け出します。古い日記に残っているのは当時の気持ちです。雪の中へ出ていくのは、その続きを自分の言葉で話すためです。 SS
キスのあと、ブリジットはマークの意外な大胆さをからかい、彼も冗談で返します。年始の集まりで二人が交わしたのは、ぎこちない挨拶でした。雪の中では、言い間違えても、格好がつかなくても、会話が続いていきます。あの晩のことを次の日記に書くなら、失敗の数を記すだけでは収まらない一日になりそうです。 SS
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