ドウェイン・ジョンソン主演の人気アドベンチャーシリーズが、ついに最後のゲームを始める。
現行シリーズ第3作『Jumanji: Open World(原題)』の新たな予告編が7月28日に公開された。今回描かれるのは、人間がゲーム世界へ吸い込まれる物語ではない。ゲーム内のアバターや動物たちが、現実世界へ飛び出してくる“逆ジュマンジ”だ。
ドウェイン・ジョンソン、ケビン・ハート、ジャック・ブラック、カレン・ギランらおなじみのメンバーが再集結する本作は、現行シリーズの最終章として2026年12月25日に全米公開される予定だ。
ゲーム世界が現実へ流出する「オープン・ワールド」
予告編では、街中を動物の群れが走り抜け、ゲーム内に存在するはずのDr.ブレイブストーンたちがレストランに姿を現す。
しかし、彼らは通常の状態ではない。アバターたちは機能が制限された「デモモード」に閉じ込められており、本来の能力や人格にも異常が発生しているらしい。スペンサーたちは、現実世界を破壊しかねないゲームの暴走を止め、アバターを元の世界へ戻さなければならない。
タイトルに採用された「オープン・ワールド」は、単にゲーム用語を借りたものではないだろう。
これまで閉じられたゲーム空間だったジュマンジが、現実と接続されてしまった状態を意味している。ステージの境界が消え、街そのものがゲームフィールドになる。シリーズの規模を広げながら、観客にルールを一瞬で理解させられる巧みなタイトルだ。
実は1995年版へ戻っていく物語
今回の設定で興味深いのは、新しいアイデアに見えて、シリーズの原点へ回帰している点である。
ロビン・ウィリアムズが主演した1995年版『ジュマンジ』では、ボードゲームを進めるたびに猛獣や危険な植物が現実世界へ出現した。一方、2017年の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、その構造を反転させ、人間がテレビゲームの中へ入り込む作品として再構築された。
そして最終章では、ゲームの側が再び現実へ侵入する。
1995年版から続く物語を円環のように閉じることで、本作は単なる続編ではなく、30年以上にわたるシリーズ全体の完結編になろうとしている。
ロビン・ウィリアムズへのオマージュも
原点回帰を象徴する重要な小道具も登場する。
ドウェイン・ジョンソンは、1995年版で実際に使われたサイコロの一部を衣装に取り入れ、ロビン・ウィリアムズへの敬意を表したことを明かしている。CinemaConでは、本作をウィリアムズに捧げる趣旨の発言もしていた。
この演出は、懐かしいアイテムを映してファンを喜ばせるだけの“イースターエッグ”とは少し違う。
現行シリーズは、1995年版を否定して作られたリブートではない。ゲームの形をボードゲームからテレビゲームへ変更しながら、その精神を受け継いできた。最終作でオリジナルの小道具を身につけることは、新旧シリーズを正式につなぎ合わせる儀式にも見える。
4人のアバターが現実にいるだけで面白い
『ジュマンジ』現行シリーズ最大の強みは、豪華スターの知名度だけではない。
屈強なドウェイン・ジョンソンが気弱な青年を演じ、ジャック・ブラックが女子高校生の人格を表現するなど、俳優の外見と中身のギャップが笑いを生み出してきた。
今回は、そのアバター自身が現実世界に現れる。しかも「デモモード」という不完全な状態だ。ゲーム内では頼もしかった能力が使えない、会話パターンが限定される、別の人物と人格が入れ替わる――予告編が示した設定からは、シリーズの十八番である身体交換コメディをさらに発展させる余地が感じられる。
ダニー・デビート、アレックス・ウルフ、ニック・ジョナス、オークワフィナらも続投するため、ゲーム側と現実側の登場人物が一堂に会する、集大成らしい群像劇になりそうだ。
過去2作は世界興収17億ドル超え
ソニー・ピクチャーズにとって、『ジュマンジ』は年末映画市場で高い実績を持つシリーズでもある。
2017年公開の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、世界興行収入約9億6254万ドルを記録。続く『ジュマンジ/ネクスト・レベル』も約8億169万ドルを稼いだ。現行2作品だけで合計17億ドルを超えている。
前作から約7年という空白は不安材料にもなり得るが、「シリーズ最終章」「主要キャスト再集結」「1995年版への回帰」という宣伝材料は強い。
さらに、家族で楽しめるアクション、コメディ、冒険、ノスタルジーを一作品にまとめられるのが『ジュマンジ』の特徴だ。熱心な映画ファンだけでなく、普段は頻繁に映画館へ行かない観客にも届きやすい。この間口の広さこそ、年末興行で同シリーズが成功してきた理由だろう。
続編映画に必要なのは「同じ安心感と新しいルール」
近年のシリーズ映画では、人気キャラクターを再登場させるだけでは大ヒットを保証できなくなっている。観客が求めているのは、知っている世界へ戻れる安心感と、映画館で見る理由になる新鮮さの両方だ。
『ジュマンジ:オープン・ワールド』は、主要キャストやコメディの雰囲気を維持しながら、ゲームと現実の位置関係を逆転させた。
つまり、作品の魅力は変えず、ルールだけを変えている。
この設計が成功すれば、本作は長期シリーズを美しく終わらせる方法だけでなく、既存IPをマンネリ化させずに更新する方法としても、映画業界から注目される作品になるはずだ。
『ジュマンジ』は本当にこれで終わるのか
現時点では、本作はドウェイン・ジョンソン主演による現行シリーズの最終章と位置づけられている。物語もロビン・ウィリアムズ版への回帰を強く打ち出しており、主要人物の旅を完結させる可能性は高い。
ただし、「ジュマンジ」というゲーム自体は、プレイヤーや時代を変えることで新しい物語を生み出せる設定でもある。
現在のキャストによる冒険が終わっても、別の世代を主人公にした再始動や、異なるゲーム形式への変化は十分に考えられる。最終章という言葉が、ブランドそのものの終了を意味するとは限らない。
まず注目すべきは、ゲーム世界から現実へ飛び出した4人が、最後の冒険でどのような結末を迎えるのかだ。
『Jumanji: Open World(原題)』は2026年12月25日に全米公開予定。日本での正式タイトルと公開日の発表にも期待したい。
※記事内の情報は2026年7月30日時点のものです。

