2025-09

『LOVE LIFE』考察と批評|愛と喪失の先にある静かな再生の物語

現代日本映画の中でも、静かにして深く心を打つ作品として話題となった深田晃司監督の『LOVE LIFE』。本作は、BoAの同名楽曲に着想を得ながら、愛・喪失・再生をテーマに、登場人物たちの複雑な感情の揺れと、それぞれの選択を描いています。この...

『THE FIRST SLAM DUNK』徹底考察と批評|原作との違い・映像表現・テーマを読み解く

1990年代の週刊少年ジャンプ黄金期を代表するバスケットボール漫画『SLAM DUNK』。その待望の映画化作品『THE FIRST SLAM DUNK』は、2022年末の公開以来、多くのファンを驚かせ、また感動させてきました。本記事では、映...

『トップガン マーヴェリック』考察と批評|中年ヒーローの覚悟と限界を描く空のドラマ

2022年に公開され、世界中で大ヒットを記録した『トップガン マーヴェリック』。前作『トップガン』(1986年)の公開から実に36年という時を経て続編が制作されたことは、映画史的にも異例中の異例です。本記事では、物語の構造やキャラクター造形...

『こちらあみ子』徹底考察|世界からズレる少女が教えてくれる“共感”の限界

2022年に公開された森井勇佑監督の長編映画『こちらあみ子』は、今村夏子の同名小説を原作とし、極めて独自の視点で“他者と交わらない”存在を描いた作品です。主人公・あみ子の視点を通して、世の中のルール、空気、共感といった曖昧なものにどう向き合...

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』考察と批評|夢と現実、ノスタルジーに潜む闇を読み解く

現代と1960年代ロンドンを舞台に、若きファッション学生エロイーズが夢を通じて“過去”とリンクするサイコスリラー『ラストナイト・イン・ソーホー』。その美しい映像と不穏な展開の裏に、数々の社会的メッセージと巧妙な構造が隠されています。本記事で...

『JUNK HEAD(ジャンク・ヘッド)』考察・批評|一人で作られた神話的ディストピアの真実を読み解く

近未来ディストピアと異形の生命体、そして“たった一人”の手によって生み出された驚異的なストップモーションアニメ『JUNK HEAD』。本作は、観る者の想像力を激しく揺さぶり、静かに深い余韻を残します。この記事では、映画『ジャンク・ヘッド』に...

【映画ファーザー考察・批評】崩れゆく現実と記憶の迷宮——アンソニー・ホプキンスが描く“老い”の真実

映画『ファーザー』(原題:The Father)は、2020年に公開され、第93回アカデミー賞で主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)と脚色賞を受賞した注目作です。本作は認知症の高齢男性の視点を通じて、「記憶の崩壊」と「現実認識の揺らぎ」を観...

映画『アメリカン・ユートピア』考察と批評|バーン×リーが描く理想社会のかたち

2020年、スパイク・リー監督とデイヴィッド・バーンのコラボレーションによって生まれた映画『アメリカン・ユートピア』。これは単なるライブ映像ではなく、現代社会への鋭い眼差しと、人間のつながりに対する希望が織り交ぜられた、非常に思想的な作品で...

【映画『街の上で』考察・批評】無駄な会話と曖昧な関係が紡ぐ、日常の詩情

今泉力哉監督による映画『街の上で』(2021年)は、下北沢という街に暮らす青年・荒川青を中心に、彼を取り巻く複数の女性たちとの関わりを、柔らかな時間の流れのなかで描き出します。この作品が提示するのは、物語性よりもむしろ“何も起こらないこと”...

『RUN/ラン』考察・批評|母の狂気と娘の脱出劇が映し出す“毒親”の恐怖とは?

2020年に公開された映画『RUN/ラン』は、サラ・ポールソン演じる“母親”と、車椅子の娘クロエの密室的な関係性を描いたサイコスリラーです。派手な演出よりも緊張感に満ちた心理描写を重視した本作は、アメリカだけでなく日本でも「毒親」や「過保護...

映画『空白』徹底考察と批評:登場人物の心理と社会の闇、そして“語られない空白”に向き合う

映画『空白』は、古田新太と松坂桃李の圧倒的な演技力によって、観客の心を深く揺さぶる社会派ヒューマンドラマです。スーパーでの万引きを巡る出来事を発端に、登場人物たちの内面、社会の空気、そして誰もが抱える「言葉にならない感情の空白」を浮き彫りに...

『Swallow/スワロウ』徹底考察と批評:異食症が映す現代女性の苦悩と解放

2019年に公開されたアメリカ映画『Swallow(スワロウ)』は、主人公ハンターが「異食症(ピカ症)」という症状に苦しむ様子を描いた異色の心理スリラーです。静かで美しい映像と裏腹に、観客の心を深くえぐるテーマを含んでおり、公開からしばらく...

『MONOS 猿と呼ばれし者たち』考察・批評|暴力と秩序の境界を描く映像詩

南米の高原とジャングルを舞台に描かれる、少年兵たちの閉ざされた世界。 映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』(2019)は、アレハンドロ・ランデス監督による衝撃的な作品です。本作はジャンル映画の枠を超え、寓話的な世界観と詩的な映像美で世界中...

『最後の決闘裁判』徹底考察と批評|三者三様の“真実”が浮かび上がらせる現代への問い

リドリー・スコット監督が手がけた歴史ドラマ『最後の決闘裁判』は、14世紀フランスの実話をもとにした重厚な人間ドラマでありながら、現代社会に鋭い問いを投げかける作品として高く評価されています。本作は、レイプという重大なテーマを中心に、登場人物...

映画『あのこは貴族』考察・批評|階級と女性の選択を描く静かな衝撃作を読み解く

映画『あのこは貴族』(監督:岨手由貴子、原作:山内マリコ)は、東京を舞台に異なる階層に生きる二人の女性――華子と美紀――の人生が交差することで、「家」「結婚」「自由」といったテーマに鋭く切り込む作品です。2021年公開ながら、現代社会の女性...

【考察・批評】映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の魅力とは?キャラ・演出・メッセージを徹底分析!

DCコミックス原作の異色チーム映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は、2021年に公開され、前作の続編でありながらも、ジェームズ・ガン監督の手により独立した新作として再構築された作品です。本記事では、DCユニバースにおける本...

『花束みたいな恋をした』を徹底考察|共感と別れの理由を深掘りする批評記事

2021年に公開された『花束みたいな恋をした』は、坂元裕二が脚本を手がけ、菅田将暉と有村架純が共演した青春恋愛映画です。共通の趣味でつながった二人の恋愛の始まりと終わりを描き、多くの観客の共感を集めました。本記事では、この作品をより深く掘り...

『プロミシング・ヤング・ウーマン』考察・批評|ポップな復讐劇が突きつける社会の闇と“正義”の行方

アカデミー賞脚本賞を受賞した映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、単なる復讐劇ではありません。ポップな音楽と華やかなファッションの裏側に潜むのは、女性が抱える「声なき怒り」と社会の「構造的な加害性」です。本記事では、キャラクター、演出、...

【映画考察】『TENET テネット』徹底解剖|時間逆行の構造・キャラ・映像美を深掘り批評!

クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』は、公開当初から「難解」「もう一度見たい」「何度見ても新たな発見がある」と話題になった作品です。その複雑な構造や時間逆行という独自のアイデア、登場人物の多層的な関係性は、まさに“考察欲”...

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』考察・批評|時代を超えて響く女性の生き方と創造の自由

グレタ・ガーウィグ監督による映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、ルイーザ・メイ・オルコットの名作『若草物語』を原作としながらも、その再構築の巧妙さと現代的メッセージ性により高い評価を得ています。本作はただの時代劇や青春...